春太郎ブログ

お金の“知らない”で損をしない

蟻地獄のような「リボ払い地獄」の恐ろしい体験記

昔、20代の前半にリボ払い地獄にはまってしまったことがある。

あれは本当に「地獄」である。

払っても払っても借金残高が減らない。出口のない迷路に迷い込んだような。大きなアリ地獄に迷い込んだ蟻のような。とにかく借金を返すためだけに生活をするという苦痛の日々だった。

今回はそんなリボ払い地獄の体験談を書くことで、リボ払い地獄に落ちる人を少しでも減らし、そこから抜け出した体験談も書くことで、今現在、リボ払い地獄に苦しむ人に抜け出すための希望を少しでも与えられれば嬉しい。

本当にこの記事を読んだ方には、

絶対にあの地獄を体験しないで欲しい。

きっかけは、ちょっとした臨時収入

なんでもきっかけはほんの些細なことである。私がリボ払い地獄にはまった理由は、ちょっとした臨時収入である。昔、音楽作りにハマっていたこともあり、不要になった機材や楽器などを売ったお金が10万円ほど臨時で入ってきたのである。

今となれば、そのくらいのお金を手に入れたからといって大きな気持ちになるのはおかしいのだが、なんだかなんでも買えるような気がして、衝動買いを繰り返したのである。しかもその当時全く使い慣れていないクレジットカードで。

気がついたらクレジットカードの支払いが所持金超え

その頃はクレジットカードも使い慣れておらず、家計簿もつけていなかったため、衝動買いを繰り返していたらあっという間に所持金を超えてしまった。

どうしたもんかと困っていたところに、どうやらクレジットカードの支払い額を毎月定額にすることができる「リボ払い」なる素晴らしいものがあるということを知る。

 

えっ?これ最高じゃない!?

なんで最初からこの支払い方法にしなかったのだろうと、すぐに「あとからリボ払い」なるものを申請し、毎月定額だから大丈夫と衝動買いを繰り返す。(あ〜あ〜あ〜、終わった。)

 

毎月定額だから大丈夫!

今となっては笑い話だが、無知だった昔の自分にめちゃくちゃ喝を入れたい。

本当にあの頃の自分は愚かだった。人間は愚かな生き物だ。後悔してもしきれない

「リボ払い地獄」にハマってしまったことに気がついたのは12ヶ月後

ちょうど12ヶ月経った頃に月々の支払い金額が上がっていることに気づく(もう、遅すぎるわ!)。確か最初は月々1万円の引き落としだったものが、3万円になっている。あれおかしいなと思い、

返済残高を確認すると117万円!!

(あ〜あ、やっちまったよ。改めて振り返ってこの記事書いているが、自然とこんな嘆きが口から出てきてしまう。)

 

このタイミングで、一気に血の気が引いて、急いで今まで使った金額を改めて確認すると、

利用金額は119万円!?

ん?おかしくないか?残高が全然減っていない・・・

不思議に思い、今まで支払った金額を確認すると25万円も払っているではないか!

25万円も払っているのに返済残高が全然減っていない・・・

本当に無知なのは恐ろしいことだが、「リボ払い」で発生する利息のことを全く考えていなかったのである。あ〜知らないって恐い。

 

そこから、

50ヶ月に及ぶ借金返済の日々が始まったのである。

50ヶ月間、クレジットカードを切り捨て、ひたすら返済、返済、繰上返済

リボ払いの恐ろしさに気がついてからは、クレジットカードを真っ二つに切断し、一切クレジットカードを使わないように封印。ひたすら毎月3万円を払う生活をしていたが、4ヶ月経ってタイミングで、あることに気づく。

この4ヶ月で12万円払ったのに

返済残高が6万円しか減ってない!

このままでは117万円返すのに、240万円くらい払うことになってしまうのではないかと思い、カード会社に電話。

 

私「あの〜このままいくと、いつまでに完済できますか?」

 

カード会社「11年くらいかかると思います。」

 

私「へ・・・11年・・・そんな・・・」

 

11年・・・絶対やだ・・・

私「もっと早く返す方法はないのですか?(泣)」

 

カード会社「『繰上返済』をしていただければ、返済を早められますよ。」

 

私「『繰上返済』??」

 

カード会社「現在毎月3万円お支払いいただいていると思いますが、毎月の支払い額を増やしていただいたり、毎月の支払いに加え、追加でお振込等でお支払いいただくことで、今のペースよりも早くリボルビング利用残高元金を返済することが可能です。」

 

私「えっ?そんなのあったんですね・・・もちろんそれやります!」

 

危なく、11年(132ヶ月)もかけて返済することになるとこだった。ここから、一時的にちょこちょこ5万円ほどを臨時で追加支払いしたり、月額の返済額を増やし、繰上返済しながら、なんとか50ヶ月(4年1ヶ月)に短縮して返済が完了したのである。

 

「繰上返済」しなければリボ払い地獄からなかなか抜けられない

私はリボ払い地獄から「繰上返済」をすることで、なんとか抜け出せたが(とはいえ4年1ヶ月もかかってしまった)、もし「繰上返済」をしなければあの時点から11年もかかっていたことを考えると、あのときクレジットカード会社に電話して本当によかったと思う。

というかむしろ、何も知らなければ、クレジットカード会社の「良いカモ」になってしまっていた。本当に「知らない」というのは恐い。「知らない」と損をする。そのようにこの世界はできている。

ちなみに「繰上返済」をしなかった場合の「支払い利息」「元金返済額」の関係は下図のようになる。オレンジの部分が返済額で、青い部分が利息になるが、

支払額の半分以上が利息に消えていくのが分かる。

 

図1:「繰上返済」しない場合の「支払い利息」、「元金返済額」の関係

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さらに、このグラフを見て、何かおかしいと思わないだろうか?「支払い利息」と「元金返済」の合計額が「支払い金額」になるが、12ヶ月目までは毎月3万円支払っているが、13ヶ月目になると支払い額が毎月2万円になっているだろう。

今回のリボ払いの方式は、「元利定額リボ払い方式」というものだが、返済残高によって毎月の支払額(支払い利息含む)が変動する仕組みになっている。返済残高が100万円超のときの毎月の支払額は3万円、50万円超え100万円以下のときは毎月2万円、50万円以下のときは毎月1万円と、返済残高が減れば減るほど、毎月の支払い額が減っていく仕組みになっているのである。

つまり、支払い返済残高が減ってきて支払い額に占める元金返済分が増えてきたと思ったら、毎月の支払額が減り、また支払い額の大半が利息分に消えていき、ずっと毎月3万円支払っていたらもっと短期間で終わるものの、知らないうちに毎月の返済が減っていき、知らず知らずのうちに長期間利息を払い続ける仕組みになっているのである。こわすぎる!!

ちなみに、今回私が「繰上返済」しながら返済していった履歴は下記である。明らかに繰上返済しなかった上図に比べると短期間かつ利息分も少ないのが分かるだろう。「繰上返済」しなかった場合と比べて完済までに払う利息はなんと・・・

472,552円も違う!!

知らず知らず「繰上返済」せずに、11年間毎月借金を返し続けてたら余分な利息を約50万円も払い続けることになっていたということである。

 

図2:自分の場合の実際の「支払い利息」、「元金返済額」の関係(繰上返済有り)

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気づくのがもっと遅かったら、「債務整理」か「自己破産」という可能性も

私の中でかなりの大損はしたのだが、「もし繰上返済していなかったら」、「そもそも12ヶ月目でリボ払い地獄に気づけなかったら」ということを考えるとゾッとする。

もし、もっとリボ払い返済額が多い場合や、複数のクレジットカード等でリボ払いを行っていた場合は、弁護士に相談し、債務整理や自己破産の検討をせざるを得ない状況にもなっていた可能性があるだろう。(実際に、ネットで情報収集するとそのような経験をされている方の経験談が山ほど出てくる。)

 

本当にこのブログを読んでいる方はくれぐれもリボ払い地獄には落ちないでいただきたい。

そもそも「リボ払い」には絶対に手を出さないでいただきたい。些細なことで、ちょっとしたことがきっかけで、「リボ払い地獄」に落ちてしまうから。

 

お金は大事だよ。

春太郎