「闇金ウシジマくん」という漫画
今日は「闇金ウシジマくん」について書きたいと思う。
「闇金ウシジマくん」とは、もうご存知の方も多いと思うが、2014年から「ビッグコミックスピリッツ」で不定期連載が開始された真鍋昌平氏による漫画である。2010年10月から山田孝之氏 主演でテレビドラマ化され、2012年に映画も上映された。
この漫画の良いところは闇金を軸として、人間の愚かさをエグいほどに露呈させ、「こんな風にならないようにしないとな」と強烈に思わせてくれるところにある。
人間は愚かである。
人間は愚かだ。
どんなにお金持ちであれ、知識人であれ、人徳者であれ、人間は皆誰もが、愚かな面を持っているものである。あの有名な天才物理学者アインシュタインも女癖が悪く、ノーベル賞の賞金は慰謝料に消えていったそうだ。
アインシュタインはこんな言葉を残している。
二つのものが「無限」である。宇宙と、人間の愚かさだ。しかし宇宙に関して言えば、私はまだ絶対の確信を持っているわけではない。
(アルベルト・アインシュタイン)
自分の愚かさを自覚し、自制できるか?
人間は自分の愚かさを自覚し、自制していかなくてはならない。
こう書くと簡単そうだが、「自分の愚かさを自覚し、自制していく」というのは、誰にとっても大変なことである。
とくに厄介なのは、実は皆、薄々自覚はしているということである。「人間は愚かである。そんなことは知っている」と大半の人が思っている。
それなのに、自制ができない。小さな失敗を繰り返し、やがて大きな失敗をしてしまう。取り返しのつかない失敗をしてしまう。
しかし、もう取り返しのつかない失敗をしてからでは遅い。じゃあ、どうする?
自制するために有効な方法は、
自制できなかったときの強烈なマイナスイメージを体に刻み込むことである。
人間は愚かな生き物である。考えて自制できるのであれば、やっている。
考えてできないのだから、条件反射的に体が拒否するぐらいの「自制できないとこんな風になっちゃうぞ!」という強烈なイメージを持っておく必要があるのである。
考えるな、体に刻み込め!
自制心を保つための有効ツール 漫画「闇金ウシジマくん」
そこで、私がバイブルとしているのが、「闇金ウシジマくん」である。
テレビドラマや映画は強烈さに欠けるので、漫画がオススメだ。特に第1巻が強烈で良い。
隠れギャンブル依存症の主婦や、浪費癖のある夫、人間関係を気にするあまり浪費を繰り返してしまう若いOL、現実を直視できない若い男。
そこらへによく居そうな人達が闇金に手を出すことで、奈落の底に一気に落ちていく様子を残酷にストレートに書いている。
ちょっとしたきっかけで、普通の人が、容赦なく、ボロボロにされていく
そこらへんにいるような自分と強弱はあるが駄目な共通点がある人、そんな普通の人が、取り返しがつかないほど落ちぶれていく様は、実体験とまではいかないが、
疑似体験として「こんな風になりたくない!」という強烈なイメージと共に刷り込まれる。
他人事ではない。自分だって油断すればこうなってしまうかもしれない。
誰もがこんな猛烈な不安に襲われるだろう。
私は、闇金ウシジマくんを定期的に読むことにより、条件反射的な自制心を養っている。
条件反射的な自制心に加え、猛烈に自分ごととして自覚することが大事
強烈なマイナスイメージにより、条件反射的に自制できるようになったあとは、さらに「自分は愚かだ」ということをしっかり自分ごととして自覚することで、強靭なメンタルに磨き上げることができる。
そのための要素も「闇金ウシジマくん」には含まれるのだから素晴らしい。
一般的に考えれば主人公である「丑嶋馨」は、闇金業者として、暴利を設定し、徹底的に債務者を追い込み、お金を搾り取っていく悪者なのだが、彼と債務者のやりとりを通して、こんなことにも気づかされる。
闇金に手を出しから駄目なのではない。闇金に手を出す前から既に駄目だったんだ。
そう。人間は基本的には駄目で愚かな生き物である。気をつけないとすぐに駄目になってしまう。人間は生まれながらにして愚かなのである。そんなことを改めて痛く思い知らせてくれる。
闇金ウシジマくん1巻にて、債務者の一人が「こんなの暴利だ!」と言って、丑嶋馨氏に食い下がるシーンがあるが、丑嶋馨氏は一言で黙らせる。
「自分の立場わかってる?」
このシーンは、非常に強烈だ。
なぜ、闇金に手を出してしまったのか。誰かのせいか。いや自分のせいである。
自分はもっと成功するはずだった?自分はこんなになるはずじゃなかった?そんなものは幻想である。
全部、自分のせい。自分が決めたこと。今まで歩いて来た道、それは自分で決めて歩いて来た道である。
人間は生まれながらにして愚かである。それが現実である。そんな現実を自分ごととして受け止めて、自分をコントロールできるのかが大事なのである。
ぜひ、取り返しのつかない失敗をする前に「闇金ウシジマくん」を読んで、皆さんも自制心を養ってほしい。
自制心は大事だよ
春太郎