「見栄を張る」という行為も「人間の愚かさ」
人間は愚かであるということは以前下記の記事に書いた通りであるが、
その愚かさの一つに挙げられるのが
「見栄を張ること」
である。
私の自制心を養うためのバイブル的存在なのが、上記記事でも紹介した漫画「闇金ウシジマくん」であるが、
この「見栄を張ること」の愚かさについてもしっかり言及してくれている。
漫画「闇金ウシジマくん」4巻から始まる「ギャル汚編」は正に「見栄を張ること」の愚かさを表現している。
この「ギャル汚編」ではとある人気イベントサークルの代表が見栄を張ることに固執したがために追い込まれ、もう後戻りできなくなって、行き着くところまで行き着いてしまうというストーリーなのだが、この話を読んでいくと誰でも「見栄を張ってしまう」可能性があることに改めて気がつかされる。
(ストーリーの詳細はネタバレになってしまうので、ここでは詳細には触れないようにしよう)
人間は誰もが、自分を良く見せたいと思うものだ。
例えば、こんなことをしたり、したいと思ったことはないだろうか?
<誰もが張ってしまいがちな「見栄」>
- 同窓会で、いつも着ないような高い服を着てみたり
- 給料の金額を友人に聞かれて、さばを読んでみたり
- ちょっと高級な食事をしたら、SNSにアップして自慢したくなったり
- 友達の知り合いに芸能人がいるだけなのに、自分の知り合いかのように話したり
- 友達と飲みにいったら、「おごってやるよ〜」とか言っちゃったり
- 知っている人にスーパーでばったり合って、カゴに入っている値引き品を隠したり
- コース料理でつい一番高いコースを背伸びして頼んでしまったり
- 契約社員なのに正社員だと言ってしまったり
- 今までの交際人数を聞かれて、水増ししてしまったり
- 夫の年収を聞かれて、水増しして答えてしまったり
挙げたらきりがないが、
誰しも見栄を張ってしまったことはあるだろう。
しかし、気をつけなくてはいけないのは、
最初はちょっとした見栄だったのが、大きな失敗につながることがある
ということだ。
見栄を張って、大失敗した人たちを教訓に学べ!!
私が今までに知り合った人の中には、ことごとく見栄を張って大失敗した人が数人いる。その人達の話を教訓としてご紹介したい。
給料が下がったのに、見栄張って今まで通りの生活を演出したAさん
Aさんは、外資系企業の営業として働いていたが、突然リストラ宣告をされ、給料も一気に下がってしまった。
外資系企業の営業で年収は1000万円を超えていたが、リストラ後、再就職した企業では年収500万円程度からのリスタートになったと言う。
年収500万円。リストラされたときの年齢が33歳というから、まぁそれでももらっているほうではないかと思う。しかし、彼は年収が半分になっても、見栄を張って今まで通りの生活を演出し続けていた。
20代後半から年収が1000万円近くあった彼は、麻布十番のマンションを借り、BMWに乗っていた。皆からは「Aはすごいよな〜憧れるよ〜」などと言われいい気持ちになっていたようだった。
しかし、今となっては年収500万円になってしまい麻布十番のマンションなんて借り続けることはできない。さらにBMWなんて車も売ってしまった方がよかったのだ。
にも関わらず、彼は「リストラされたって、すぐ就職できた。年収は少し下がったけど、大きな影響はない」と言い、友達を連れてキャバクラ等夜遊びを繰り返していたらしい。
それから1年後、彼は突如連絡がつかなくなったようだ。彼をよく知る先輩は「どうやら借金が500万円くらいあったらしい」と言う。年収が下がったのに、今まで通り、いやそれ以上の生活をしていたら、そうなることくらい誰でも分かる。単純な足し算引き算の話だ。そんなことが見えなくなってしまう。見栄とは恐ろしいものだ。
キャバクラ嬢に見栄を張り続けて破滅したBさん
Bさんは年収600万円の普通のサラリーマンである。
しかし、ある時100万円の宝くじがあたったらしい。100万円のお金をどうしようと考えていたところ、今まで遊びらしい遊びをしてこなかったBさんは、ふと「キャバクラ」なるものに行ってみたいと思い始める。
そして、キャバクラに初めて行くことになるのだが、それがどうもツボにはまったようで、この日からキャバクラ通いが始まってしまう。
Bさんはおだてられるとどんどんお酒を頼んでしまうようで、最初は1日3万円程度の出費だったようだが、だんだん遊び慣れてくると、1日10万円を超える出費の日も出てきて、いつのまにか宝くじのお金は尽きてしまう。
ここで止めればよいものを、キャバクラにはまってしまっているBさんは、なかなかキャバクラ通いをやめられない。「Bさん、すご〜い」と言われたいがために、高い酒を頼み、おごり、見栄のために、ないお金を払い続ける。
そして、ついにクレジットカードの限度額に頼り始める。「分割払いにすればいい」「リボ払いにすればいい」とそれから間もなく限度額いっぱいまでクレジットカードを使い果してしまう。それでもまだキャバクラ通いをやめられない。
そんな時についにとどめを刺されることになる。いつも指名している子から高級バックが欲しいとせがまれる。50万円ほどのバックである。彼はついに消費者金融にお金を借りてしまう。「Bさん、お金持ち〜すご〜い」と言われたいがために、たったそれだけの見栄のために借金をしてしまう。
そして、そんなことをしている間にいつの間にか自分の月給が全て借金返済に消えていく状態に気づく。しかし、彼はこの時点で、くい止まった。今は借金を返しながら、見栄を張ってしまったことを非常に悔いている。「見栄を張って、いっぱいお金を使ったけども結局何も残らなかった」彼がそう言っていたのが、非常に本質をついていると思った。
お金持ちの友達に合わせて自己破産、離婚したCさん
今度は女性の話だ。Cさんは結婚歴有りで子持ちの女性である。
Cさんは、29歳で結婚し、子供を2人設けて、夫と幸せに暮らしているはずだった。しかし、彼女が昔から仲の良い友達Dさんとの付き合いが原因で、このあと最悪のストーリーを辿ることになる。
Dさんは実家が開業医という家庭で育っており、金銭感覚もかなりずれたお金持ちお嬢様だ。大学時代を一緒に過ごし仲の良かったCさんとDさんだが、就職や結婚等で会えない日々が続いていた。しかし、ある日開催された同窓会で再会した二人は、昔話に花を咲かせ、時々会うようになる。
最初はカフェでちょっと話したりする程度だったが、だんだん高級ディナーやら、旅行やらに誘われるようになる。同窓会でDさんが見栄を張って、嘘をついたのがいけなかった。「夫の年収は1500万円」本当の年収は600万円である。
高級ディナーに行ったとしても「お金がないから」と正直に言えればいいのだが、そんなことは言えず見栄から「じゃあ、私も同じのにしようかな」と一番高いコースを頼んだり、旅行に行って、「Cもこのバッグ買ったら?」と言われ、断れず「いいね!買っちゃおう!」と高級ブランドのバックを買ってしまったりした。
もちろん夫には頼れず、独り身時代に作ったクレジットカードと消費者金融でなんとかその費用を用意していた。
しかし、すぐそんなことはバレてしまう。消費者金融での返済が滞り、自宅に督促の連絡が入る。さらに、Dさんと無理に合わせて高級ディナーや旅行に行っていたことで、夫婦の時間も少なくなり、喧嘩やすれ違いの数も増えていた。Cさんの借金が発覚した際に夫から離婚の話を切り出される。Cさんは今、次男と一緒に二人暮らしをしながら借金を返し続けている。
基本的には正直が一番得!!
上記の実例を見てみても明らかな通り、見栄を張っていくら嘘をつこうが、お金を払おうが、結局最終的には何も残らない。残るとしたら借金とか信頼の喪失であったり、最悪なものが残るだけなのだ。
逆に正直に生きていると良いものが残る。
ストレスフリーの生活、信頼できる仲間たち、コミュニティ。浪費をしなくても済むのでお金だって残る。
自分の身の丈を知り、見栄なんてくだらないものは張らず、正直に生きるのが一番なのである。
しかし、改めて言うが、
人間は愚かな生き物である。
分かっていてもできない。そういう生き物である。
そんな時のために、
何か自分の自制心を支えるアイテムを持っておくことをおすすめする。
私の場合は漫画「闇金ウシジマくん」だが、何度もこの漫画が私を救ってくれている。何か良いアイテムを持っていない人は一読してみてもよいと思う。(1巻が一番おすすめだが、4巻のギャル汚編も見栄を張ってしまう人にはおすすめの内容である。)
自制心は大事だよ
春太郎